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憲法改正しない安倍首相は自己矛盾している
東洋経済オンライン 7月20日(月)6時0分配信

憲法改正しない安倍首相は自己矛盾している
2015年4月の訪米時、ハーバード大で講演する安倍首相を見守るジョセフ・ナイ氏。沖縄問題では「辺野古移転を強行すべきではない」と発言(AP/アフロ)
 7月16日、いわゆる「安全保障関連法案」(一定の条件下での、集団的自衛権の行使容認などが主な趣旨)が衆議院を通過しました。今回の安倍政権の一連の対応を見ると、安倍晋三首相がいかに、アメリカを意識しているかがわかります。具体的に言えば、安倍首相が意識しているのは「第3次アーミテージ・ナイレポート」ではないかと思うのです。

【詳細画像または表】

■ 日本は『一流国』であり続けるのか、否か

2012年8月、アメリカのリチャード・アーミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国務次官補(ハーバード大学ケネディ政治学大学院元学長ジ)が連名で、「The U.S-Japan Alliance ANCHORING STABILITY IN ASIA(アジアの安定のための日米同盟)」という報告書を発表しました。2000年、2007年に発表された二度のレポートに続くもので、「第3次アーミテージ・ナイレポート」と呼ばれています。以下、私の解釈を交えながら紹介したいと思います。 このレポートでは、「日本は今後も、世界の中で『一流国』であり続けたいのか、それとも『二流国』に甘んじるのか」と問いかけ、「一流国であり続けたいなら、国際社会で一定の役割を果たすべきである」としています。

 そのうえで、専守防衛などのいわゆる「時代遅れの抑制」を解消し、アメリカの防衛戦略にこれまで以上に強く関与すること、そしてアジア太平洋地域の海洋安全保障においてアメリカが果たしている役割を補完して、米中の戦略的均衡の要になることを、日本に強く求めているのです。

 アーミテージとナイはこのレポートで、アメリカ側が日本に期待する役割として、次のような具体例を挙げています。

 第1に、中国共産党政権の「接近阻止・領域拒否」戦略に基づく中国海軍の増強と行動範囲の拡大に対して、アメリカの「エア・シーバトル構想」に則って日本の海上自衛隊が対峙し、尖閣諸島周辺はもちろん、中国がベトナムやフィリピンと係争を繰り返している南シナ海においても、平和と安定の維持のため、米軍に協力して共同で監視活動を実施すること。

 第2に、中東・ペルシャ湾ホルムズ海峡の安全航行の確保のため、イランの封鎖の兆候が明らかになった場合には、日本単独で海上自衛隊掃海艇を派遣し、機雷を除去すること。

 第3に、国連平和維持活動において、他国の部隊の護衛を可能とするよう、派遣部隊の法的権限を拡大すること。

 アメリカ側には、かつてエジプトがアラブ諸国の結節点となったように、日本をインドやASEAN諸国を束ねる結節点としたいという期待があるようです。逆に、そうした形でアメリカに協力する意志がないのであれば、「日本は今後、二流国になる」と警告しているのです。

 また、このレポートではアメリカ政府に対しても、「日本へのLNG供給を容易にする」「日本のTPP参加を促す」「日本の防衛産業に対し、オーストラリアなど他の同盟国への輸出を働きかける」「大統領による政治任用の際、日米同盟を深化させることを考慮する」などの提言を行っています。

■ レポートは今も日米両政府に影響を与えている

 アーミテージとナイのレポートはあくまで「政府外からの提言」ではあるのですが、このレポートが日米両政府に与えている影響は非常に大きいようです。

 現在、オバマ政権ではこのレポートで提言されたとおり、多くのLNG生産基地を建設して日本向けにも輸出を始めようとしていますし、日系人のハリス大将を太平洋軍司令官に起用したことも、レポートの提言に沿ったものです。

 安倍政権でもレポートの提言どおり、TPP交渉に参加を決め、潜水艦技術をオーストラリアに提供しようとしています。さらには、「平和安全法制整備法」「国際平和支援法」という、いわゆる安保法制の2法案を閣議決定し、「自国が直接攻撃されていなくとも、密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、武力をもって阻止する」という「集団的自衛権」を容認しようとしています。

 安倍晋三首相は2015年2月の国会で、集団的自衛権行使の具体例として、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合を挙げ、「わが国にかつての石油ショックを上回る混乱と深刻なエネルギー危機が発生しうる」として、「集団的自衛権が容認されれば、わが国独自の判断でホルムズ海峡の機雷を除去することが可能になる」との認識を示しました。これなどは、まさに第3次アーミテージ・ナイレポートに書かれている内容そのままです。

このレポートの内容を踏まえて、安保関連の安倍内閣の動きと見比べると、一連の安倍内閣の行動が、安倍晋三首相の個人的な政治思想に基づくものというより、アメリカ側の「軍事的協力の要請」に従ったものであることは歴然ではないでしょうか。

■ 「対中国包囲網」は日本独自の信用力を活かせ

 こうした安倍内閣の、米軍の「下請け的な行動」は、きわめて疑問の多いものです。日本はもともと、領土など政治的問題の解決を武力に頼らないという点で、アジアの多くの国で中国よりもはるかに信用されています。

 もし、日本が今後もアジア太平洋地域の平和と安定に貢献するのであれば、アメリカとの「軍事協力」を通じてではなく、平和的姿勢についての独自の信用力を活かして、対中国包囲網の結節点となっていくべきです。

 安保法制による集団的自衛権の容認は、日本の武力行使についてのアジア諸国の不安を掻き立て、対中国包囲網を形成する上ではマイナスになりかねないのではないでしょうか。安倍晋三首相が、「現在の憲法GHQの押しつけ」と言いながら、憲法解釈について結局は「アメリカの言いなり」になっていることは、自己矛盾しているとしか言いようがありません。

 もしアメリカ政府の意を受けて、憲法違反が指摘されている同盟強化に踏み込むとするなら、その是非について国民の賛否を問うのが筋です。それをないがしろにすれば、安倍政権の支持率も急低下し、2016年の参議院選挙をにらんで与党分裂の可能性も出てくるかもしれません。

しかも、17日の「新国立競技場の見直し」は16日の安保法案の衆院通過直後に発表されました。私が前回の記事「政権にすり寄る『御用メディア』に騙されるな 日本人の生活は、ますます苦しくなっている」でも書いた通り、「御用メディア」は政権寄りのバイアスのかかった報道をするものです。 今回、政府筋では「御用メディア」が新国立競技場の見直し報道を積極的にしてくれることで、安保報道が相対的に埋もれることを狙っていたのでしょうか。また、「たとえ政権の支持率が一時的に下がっても、来年には国民は忘れているだろう」「今回、新国立競技場の建設計画について抜本的見直しを発表したことで、支持率の低下が止まるだろう」などと高をくくっているのかもしれません。しかし、日本国民はそんなに愚かではないと思われます。

中原 圭介

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最終更新:7月20日(月)6時0分東洋経済オンライン



東京新聞 TOKYO WEB

【社説】
安保法案、衆院通過 民主主義の岐路に立って
2015年7月17日


 主権者である国民の多数が反対する法案がなぜ、衆院を通過してしまうのか。戦後七十年の節目の今年、私たち日本の民主主義は岐路に立たされている。
 憲法学者の多くが「憲法違反」と指摘する安全保障法制関連法案が衆院特別委で強行可決された十五日夜、国会正門前は法案に反対する人たちで埋め尽くされた。
 人の波は深夜になっても途絶えず、主催者発表の参加者数は十万人にまで膨れ上がった。法案が衆院を通過したきのう夜も、国会周辺には多くの人が集まり、安保法案反対の声が響いた。
 法案に反対する集まりは、名古屋、札幌など日本全国に広がる。
◆反対の大きなうねり
 石破茂地方創生担当相はかつて自民党幹事長時代、国会周辺で繰り広げられた、特定秘密保護法原発再稼働に反対するデモ活動を「テロ行為」と同一視して、批判したことがある。
 その石破氏ですら、全国で反対デモが続く安保法案について「国民の理解は、まだ進んでいるとは言えない」と認めざるを得ないほど、この法案は異常さが際立つ。
 デモで示された安保法案への反対は、民意の巨大なうねりの一端にすぎない。
 共同通信社が六月下旬に実施した全国電話世論調査によると、安保法案に「反対」との回答は58・7%で、五月の前回調査から11・1ポイント上昇した。法案の今国会成立に「反対」との答えも63・1%で、前回より8ポイントも増えている。
 安保法案は、審議を重ねれば重ねるほど矛盾や欠陥が露呈した。衆院憲法審査会で参考人憲法学者全員が「違憲」と主張したことを契機に、法案の合憲性に対する国民の疑念も一気に膨らんだ。
 時がたつにつれ、法案そのものや、今国会での成立に反対する意見が増えるのも当然だろう。
◆「白紙委任」ではない
 しかし、安倍晋三首相や法案を提出した安倍内閣、今国会成立を急ぐ自民、公明両党はいずれも、そうした国民の声を聞き入れようとせず、野党が反対する中、特別委や本会議で採決に踏み切った。
 自民、公明両党は二〇一二、一四年衆院選と一三年参院選で勝利した。その数の力を背景に、反対論を封じ、選挙で選ばれた自分たちの判断こそ、正しいと言わんばかりの態度だ。
 確かに、有権者にとって選挙は政治家や政党、政策を選択する最大の機会ではある。国民の負託をより多く受けた与党の国会議員が政策決定の主導権を握るのは、議会制民主主義としては当然だ。
 とはいえ、有権者は選挙で「白紙委任」をしたわけではない。それぞれが政治家や政党を選びながらも、熟議を通じてよりよい政策をつくり上げてほしい、というのが国民の率直な願いのはずだ。
 選挙ですべてが決まるのなら、議会で議論する意味はなくなり、議員は多数決マシンと化す。
 ましてや、憲法九条に基づく平和主義、専守防衛など戦後日本が守り抜いてきた憲法の理念や、憲法が権力を律する立憲主義に関わる問題では慎重な議論が必要だ。
 国民が、政府や国会の振る舞いをおかしいと思えば声を上げるのは当然であり、政治家が謙虚に耳を傾けることこそが、健全な民主主義の在り方ではないのか。
 にもかかわらず、自民党から聞こえてくるのは、安保法案を批判する報道機関の広告料収入をなくして「懲らしめる」などという威圧的な発言であり、沖縄県の地元新聞社をつぶせという作家に反論しない議員たちの姿である。
 言論の自由を定めた憲法を守れない自民党議員に、憲法や法律を語る資格はない。
 より深刻なことは、首相自身に戦後日本の平和主義や専守防衛立憲主義を深刻な危機に陥れている、との自覚がないことだろう。
 海外での武力の行使に道を開く集団的自衛権の行使を認めたにもかかわらず、平和国家の歩みや専守防衛に変わりないと言い放ち、最高法規である憲法の解釈を恣意(しい)的に変更しても、立憲主義に反しないと強弁する。
 それは、戦後日本が目指してきた民主主義のあるべき姿や指導者像とは程遠いのではないか。
◆声を出し続ける覚悟
 安保法案の衆院通過を受けて、論戦の舞台は参院に移る。法案をこのまま成立させれば、安倍政権の誤った民主主義観を追認することにもなる。重大な岐路である。
 日本の民主主義が誤った方向に進まないようにするのは、主権者である国民の崇高な役割だ。おかしいと思ったことには国民自身が覚悟を持って声を出し続けなければ、権力は暴走を自ら止めることはないだろう。
 政治の決定権を、国民から遊離した権力から、国民自身に取り戻す。戦後七十年。正念場である。









瀬戸内寂聴さん 安倍首相批判「いかに悪い政治家か 歴史に残る」
スポニチアネックス 7月20日(月)9時5分配信

瀬戸内寂聴さん 安倍首相批判「いかに悪い政治家か 歴史に残る」
瀬戸内寂聴さん
 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(93)が19日、京都市の寂庵で定例の法話を開き、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案の衆院通過を受け「何とか覆さなければならない。若い人たちが立ち上がっているから、希望がないわけではない」と訴えた。

 自身の戦争体験にも触れ「戦争は“集団人殺し”。世のため人のための戦争など存在しない」と指摘。与党による採決強行という手法と安倍首相も痛切に批判し「これだけ多くの人が反対したことは歴史に残る。安倍さんがいかに悪い政治家だったかも歴史に残る」と強調した。

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瀬戸内寂聴集団的自衛権 、 安全保障 を調べる
最終更新:7月20日(月)9時19分




「どこも呼んでくれない」と愚痴っていた安倍首相 20日、テレビで安保法案訴える
産経新聞 7月19日(日)22時32分配信

 安倍晋三首相は、「国民の理解が進んでいない」と認める安全保障関連法案に関し、自ら国民への説明に乗り出す。20日にはフジテレビ番組「みんなのニュース」に生出演し、法案の意義について理解を求める。

 法案の衆院通過後の17、18両日、共同通信社が実施した世論調査では、内閣支持率は前回6月から9・7ポイント急落した。民主党は廃案に追い込むため「世論戦」を仕掛ける構えで、首相のテレビ出演はこれに対抗する狙いがある。

 白紙撤回した新国立競技場の建設計画についても説明するとみられる。

 首相は6日の自民党役員会で、法案への理解が進まない現状に関し「本当はテレビ番組に出たいのだが、どこも呼んでくれない」と漏らしていた。

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政権のなりふり構わぬ権力行使には国会がブレーキを/成田憲彦氏(駿河台大学教授)
ビデオニュース・ドットコム 7月20日(月)0時44分配信


(C) ビデオニュース・ドットコム
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 国立国会図書館の調査官として長年国会をウオッチしてきた駿河台大学の成田憲彦教授は、7月16日の衆議院本会議で安倍政権が安保法制を与党単独で可決したことについて、国会の歴史の中でも異常なできごとだったと指摘する。

 「強行採決はこれまでにもあったが、中身の議論がかみ合わず、政権内でも説明が食い違うなどちぐはぐの中で押し切ってしまったのは、ちょっと異常な感じがする」と成田氏は語る。

 過去の自民党政権と比べて安倍政権は国会運営でも異常な面が多いと成田氏は言う。

 「これまでの自民党政権は国会を大切にしてきた。党内も大切にしてきた。それに対して安倍政権は官邸支配。安倍が16日に衆院を通すと言ったら予定通り通る。こういう自民党政権はなかった。」

 成田氏はこう語り、安倍政権が伝統的な国会対策にほとんど時間をかけず、官邸主導で党も国会も支配している点が、これまでの歴代政権との大きな違いだと指摘する。

 「過去の自民党政権は、権限は持っていてもそれを行使してこなかったが、安倍政権はなりふり構わずにその権限を行使する。これまでの政治制度はそれを前提としてこなかったため、官邸の暴走にブレーキをかける機能を持っていない」成田氏はこう指摘した上で、官邸の独断専行をチェックするためには、国会を改革し、国会に官邸を制御する力を持たせる必要があるとの考えを示した。

 国会の生き字引とも呼ぶべき成田氏に、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。

 
成田 憲彦 なりた のりひこ
1946年北海道生まれ。69年 東京大学法学部卒。同年、国立国会図書館入館。調査及び立法考査局政治議会課長などを経て93年、細川連立政権で首相首席秘書官。95年、駿河台大学法学部教授、2007年、同学長などを経て2011年、野田内閣で内閣官房参与。2012年12月より現職。著書に『官邸』上・下、など。

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安保法案に見る中央と地方の「ねじれ」の意味 地方議会で相次ぐ反対意見書
THE PAGE 7月19日(日)11時0分配信

安保法案に見る中央と地方の「ねじれ」の意味 地方議会で相次ぐ反対意見書
[写真]7月16日、衆議院を通過した安保法案。地方議会からは「反対」意見書が相次いでいる(ロイター/アフロ)
 安全保障関連法案が衆院を通過、国会論戦の舞台は参院に移ることになりました。野党の反対を振り切って成立を急ぐ安倍政権に対しては、地方議会の自民党系議員ら「身内」からも廃案を求める意見書が出されるなど異論が上がっています。こうした「ねじれ」をどう見たらよいのか、地方の現場や識者の声を聞きました。

「反対」「慎重」が圧倒、保守地盤でも
 衆議院議事部によれば、安保法案に対して今国会中に提出された地方議会からの意見書は7月17日現在で356件。その内容は、同議事部では賛否などを分けられないとしますが、7月9日付の朝日新聞、同15日付毎日新聞などが各議会に取材したとする記事と照らし合わせると、廃案や撤回などを訴える「反対」が約4割、慎重な審議や国民的理解などを求める「慎重」が5割超、法案成立を求める「賛成」は1割に満たないようです。

 都道府県では、岩手県議会が明確に「廃案」を求める意見書を賛成多数で可決。三重、長野、鳥取の各県議会が「慎重」審議を求める一方、安部首相のおひざ元である山口をはじめ長崎や秋田の各県議会が「賛成」の意見書を可決し、早期成立を求めています。

 市町村議会になると、革新系の強い沖縄や長野県下の自治体はもちろんですが、自民党系の多い保守的な地盤でも反対や慎重姿勢が示されています。各議会で定例会が開かれている最中の6月に、憲法学者たちがそろって「違憲」表明をしたのが影響したと見られます。愛知県扶桑(ふそう)町議会は16議員中14議員が保守系の会派所属ですが、憲法学者らの指摘も踏まえ、6月中旬に「憲法の平和主義・立憲主義に反する安全保障法案の制定をしないよう求める意見書」を全会一致で可決しました。

 保守系会派代表の町議は「町自体が非核平和宣言をしており、議会としても昨年3月には憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に反対する意見書を出していた。その流れから今回の安保法案も認められないという判断になった。その後の衆院での可決は非常に残念だ」と述べます。また、別の自民党員の町議は「実際は自民党系の中でも意見はさまざま。個人的には法案すべてに反対ではない。ただ、地方として矛盾を感じることは今回の法案に限らずいっぱいある。地方議会としておかしいとアピールしていくことは無意味ではない」と主張しました。

地方の「いら立ち」の表れか
 国会への意見書提出は、地方自治法第99条で定められた地方議会の権利です。ただし、受け取った国会がどう扱うかには定めがありません。

 安保法案で衆議院に届けられた意見書356件のうち、305件が衆院議長に受理され、法案を審議した特別委員会に「参考送付」されました。参考なのでそれに対して意見が交わされるわけではありません。また、これから審議が始まる参議院にも意見書は届けられているものの、こちらは「安保法案関連として取りまとめているわけではありません。受理、参考送付もしますが、他の意見書とまとめての扱い」(参院議事部)だそうです。

 政策過程論などを専門にする愛知学院大学総合政策学部の森正教授は「意見書に法的拘束力はなく、国会議員がどれだけ影響力を受けるかというと疑問です。1980年代の売上税や消費税などの内政的な問題だったら選挙の争点になり、国政にも大きな影響を与えたかもしれませんが、地方に直接的な利害をもたらさない外交や憲法問題ではどうか。どちらにしても非常に珍しいケースだとは言えるでしょう」とした上で、今回の動きを自民党の「中央集権化」と合わせて見ます。

自民党の意思決定はもともと地方の意見を積み上げるボトムアップ型でした。しかし、90年代の政治改革で小選挙区制となり、政策の中身がマニフェストで全国一律になるなど、中央による『しばり』がきつくなりました。党本部が決めたことに地方から異議申立てがしづらくなり、異論が封じられてしまう。そうした中央集権化、トップダウン型の意思決定が安倍一極体制で加速し、首相周辺が突っ走ってしまうという構図が出来上がったのでしょう」

 そして逆に、この党体制への反動が今回の意見書提出の流れに表れていると森教授は指摘します。

自民党の地方組織がいら立ち、異議申立てせざるを得なくなったのでしょう。これは昨今の地方政党の動きにも通じるところがあります。特に実質、小選挙区制の都道府県議会より、まだ『しばり』の少ない市町村議会ではそれが顕著。ただ、意見書も法的拘束力がなければ、単なる有権者に対するポーズで終わってしまいます」

 では、地方の声をより有効に中央へ届けるにはどうすればいいのでしょうか。森教授は「やや論議が飛躍するかもしれませんが」と前置きした上で、「参議院の役割」に注目します。

 「参議院の制度改革議論でも出てきていますが、衆議院に対して独自性のない今の参議院を『地方代表』として捉え直すことが必要でしょう。連邦制のドイツでは、国会議員で構成する連邦議会が国民代表であるのに対して、各州の代表者による連邦参議院は地方代表と位置づけられています。日本もこうした形になれば、地方の声を直接、中央に届けることができます。ただ、そのためには現行の憲法の枠組みではできないので、憲法改正が必要になりますが…」と森教授。

 これから参議院の審議が衆議院より深まらなければ、地方の失望は逆に深まるでしょう。安保法案では、こうした「国のかたち」も問われていると言えそうです。

(関口威人/Newzdrive)






改正労基法「成立絶望」…重要法案に安保の影響
読売新聞 7月19日(日)17時59分配信

改正労基法「成立絶望」…重要法案に安保の影響
読売新聞
 大幅延長している今国会は、最大の焦点の安全保障関連法案が16日に衆院を通過し、参院審議の行方が注目される。

 一方、安倍内閣が労働改革の柱に掲げる労働基準法改正案や、制定以来初めて債権関係規定を抜本的に見直す民法改正案などの重要法案は審議入りのめども立っていない状況だ。

 ◆きっかけは?

 安保関連法案の衆院通過を受け、野党は17日の国会審議を拒否した。ただ、野党にも「国会審議を通し反対に対する理解が広まる」(民主党幹部)との声もあり、週明けには、正常化に向け動き出しそうだ。

 きっかけの一つは、参院選挙制度改革のための公職選挙法改正案だ。与野党ともに、来年改選の参院議員の任期満了1年前の25日までに、改革案を参院で可決させる方向では一致している。自民党などが近く改正案を提出することで、審議が始まるとみられている。

 また、民主党の枝野幹事長は18日、さいたま市内で記者団に、新国立競技場建設計画の白紙撤回に関し、「検討経緯を具体的に示すべきだ」と語り、衆参両院の予算委員会の必要性に言及した。予算委で国会が動き出すと見る向きもある。

 与党は参院で安保関連法案を扱う特別委員会を設け、7月中の審議入りを目指す。会期末の9月27日より前の14日以降は、参院で採決されなくても衆院で再可決できる「60日ルール」を使えるようになるが、与党は、100時間程度の審議を経て、9月上旬には参院で採決し、成立を図る考えだ。

 ◆滞る審議

 「安保国会」の陰で、他の重要法案は遅れ気味だ。

 派遣労働者に柔軟な働き方を認める労働者派遣法改正案は、日本年金機構個人情報流出問題の影響などで参院での審議が遅れており、成立は8月中旬以降となる見通しだ。一方、労働基準法改正案は審議入りのめども立っていない。自民党関係者は「今国会での成立は絶望的」と悲観的だ。

 法務省関係の政府提出法案では、取り調べの可視化や「司法取引」の導入などを柱とした刑事司法改革関連法案は60時間近く審議しており、衆院通過は8月以降となる見通しだ。民主、維新両党は司法取引の導入見送りなど与党に修正協議を求めている。

 この余波で、衆院法務委員会は他の法案の審議も遅れている。民法改正案は審議入りの時期も見通せず、今国会成立は厳しいとの見方が強まっている。

最終更新:7月19日(日)17時59分読売新聞





<安保関連法案>「支持率犠牲にしても成立を」自民副総裁
毎日新聞 7月19日(日)20時53分配信

<安保関連法案>「支持率犠牲にしても成立を」自民副総裁
自民・高村正彦副総裁=国会内で2015年7月14日、長谷川直亮撮影
 自民党高村正彦副総裁は19日のNHK番組で、安全保障関連法案の衆院平和安全法制特別委員会での強行採決後、毎日新聞の全国世論調査などで内閣支持率が急落したことを受け、「支持率を犠牲にしてでも、国民のために必要なことはやってきたのがわが党の誇るべき歴史だ」と述べ、安保法案の今国会成立を目指す考えを強調した。

【支持率推移のグラフも】内閣支持、急落35% 不支持51% 安保強行採決「問題」68%

 高村氏は「最後のころは繰り返しや直接関係ないような質問があり、議論は熟したと判断した」と特別委での採決の正当性を主張した。

 安保法案が参院で採決されない場合、9月14日以降に衆院で再議決できる憲法上の「60日ルール」について、公明党北側一雄副代表は同番組で「2カ月以上もあり、そんな状況には参院のメンツをかけてしないと思う」と述べた。

 同番組では、民主党枝野幸男幹事長が「審議するほど国民が理解し、理解すれば反対が増える。ますます反対の世論が広がり、参院で(与党が)採決できない状況を作れるのではないか」と指摘。共産党山下芳生書記局長も「国民の戦いを盛り上げ、廃案を勝ち取りたい」と同調した。

 維新の党の柿沢未途幹事長は、衆院で否決された同党の対案について「国民の不安に応え、憲法適合性を確保する内容になっている」と参院に改めて提出する意向を示した。対案を巡る与党との協議は「今後も継続していくことになる」と述べた。

 一方、菅義偉官房長官は19日、横浜市で講演し、安保法案に世論の批判が強い現状を踏まえ、参院審議を通じて丁寧に説明する考えを表明。「野党やマスコミは戦争法案、徴兵制復活だと宣伝している」と批判したうえで、「この国会でなんとしても成立させたい」と述べた。【佐藤慶、田中裕之】

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強行採決安倍政権の「終わりの始まり」か】
【図で分かりやすく】政府が想定する日本周辺での集団的自衛権行使
【首相には、他にも言いたいことがある】
【元防衛官僚が指摘「戦死者必ず出る」】
最終更新:7月19日(日)22時4分毎日新聞




 あれは安倍政権によるクーデターだった/石川健治氏(東京大学法学部教授)
ビデオニュース・ドットコム 7月18日(土)23時10分配信


(C) ビデオニュース・ドットコム
(↑画像をクリックすると動画が再生されます。)
 あの日、日本でクーデターが起きていた。そんなことを言われても、ほとんどの人が「何をバカな」と取り合わないかもしれない。しかし、残念ながら紛れもなくあれはクーデターだった。そして、それは現在も進行中である。

 安倍政権は7月15日の衆院の委員会で安全保障関連法案の採決を強行し、翌16日には本会議を通過させた。国会の会期が9月27日まで延長されていることから、仮に参院が法案を議決しなくても、衆院通過から60日後には衆院の3分の2の賛成で法案は可決する。衆院では自民、公明を合わせると3分の2以上の議席を得ていることから、16日の衆院の通過を持って、事実上法案の成立は確実になった。

 これは一見、民主主義の正当な手続きを踏んでいるように見えるが、決してそうではない。今回日本の政治に起きたことは、後世にまで禍根を残すことになるだろうと東京大学法学部教授で憲法学者石川健治氏は言う。

 その理由として石川氏は今回、安倍政権が、憲法を改正しないまま、長年にわたり憲法によって禁じていると解されてきた集団的自衛権を容認する法解釈と法整備を強行したことによって、「法秩序の連続性が切断された」と考えられるからだと説明する。

 元々安倍政権憲法9条を改正して、日本も軍隊を持ち戦争のできる「普通の国」にしたいという野望を抱き、それを公言して憚らなかった。しかし、それを実現するために必要な国民の支持がないことがわかると、今度は憲法改正を困難にしている憲法96条を改正し、現行の3分の2から国会の2分の1の賛成で憲法改正を発議できるようにしたいと言い出した。

 憲法の条文を改正する手続きを定める憲法96条は、憲法の中では他のすべての条文よりも高い位置にある。それを壊す行為は憲法そのものを転覆させる行為であり、これを法学的には「革命」と呼ぶが、「革命」が成功するためには国民の支持が必要だ。しかし、日本国民は憲法96条の改正を支持しなかったため、「革命」は失敗に終わった。

 ところが安倍政権は今度は、国民を置き去りにしたまま、政府レベルで法秩序の連続性の破壊を図った。内閣法制局長官集団的自衛権容認論者にすげ替え、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、政権与党のみで法案を国会を通してしまった。国民から支持を受ける「革命」に対し、国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶのだと、石川氏は言う。

 石川氏は今回日本が失ったものの中で、最も大きかったものは「理屈が突破されたこと」だったという。参考人として呼ばれた3人の憲法学者にことごとく違憲の烙印を押され、憲法学者はもとより世のほとんど学者も、歴代の内閣法制局長官も、こぞってこの集団的自衛権を認めるこの法案は違憲であると主張していた。こうした主張に対する政府・与党側の反論は、集団的自衛権とは何の関係もない砂川事件最高裁判決で集団的自衛権は禁止されていないという、およそ屁理屈にもならないようなお粗末なものだった。また、今回の法整備によって日本の抑止力が高まるという政府の主張も、根本的な部分に誤謬があることも明らかになった。

 理屈の上では安保法制をめぐる安倍政権の主張は完全に敗北していた。しかし、にもかかわらず論理的に破綻している法案が閣議決定され、7月16日の衆院通過で事実上の成立が決まってしまった。

 理が通らない政策が数の論理によって押し切られてしまったことで、日本が「法秩序」を失ったことの影響は大きい。今後、この法案がもたらすであろう個別の問題を考えただけでも目眩がしそうだが、より高次元で日本の法秩序が破砕されたことの影響は恐らく安全保障分野だけにとどまらないだろう。われわれの多くが、日本という国の政治の頂点で、「理」が「無理」によって押し切られるところを目撃してしまった。これによって戦後われわれが大切に育て、守ってきた「公共」空間が壊されてしまった。

 ここに至るまで安倍政権は、解釈改憲を実現するために内閣法制局長官をすげ替えたほか、アベノミクス実現のための日銀総裁人事にも介入した。また、メディアへの圧力を強める一方で、NHK会長人事にも介入してきた。こうした行為もまた、憲法96条改正の通底するところがある。最終的に法秩序を破壊するような行為を行う上で、まず邪魔になる障害を取り除くために首相の権限をフルに活用する。法律で委ねられた権限を行使しているだけとの見方もあろうが、そもそもそうした権限が内閣に委ねられているのは、そうした個々の機関の暴走を防ぐためであり、首相の権力を私物化するためではない。それを自身の権力や権限の拡大のために利用する行為は、権力の目的外利用であり、権力の濫用に他ならない。

 今回の安保法制の事実上の成立で日本が失ったものとは何なのか。今後その影響はどこで表面化してくるのか。われわれはそれにどう対抗していけばいいのか。知性主義も立憲主義も否定したまま自身の目的達成に向けて突っ走る安倍政権と、われわれはいかに向き合っていけばいいかを、ゲストの石川健治氏とともにジャーナリストの神保哲生社会学者の宮台真司が議論した。

最終更新:7月18日(土)23時10分ビデオニュース・ドットコム